○●雨色ドレス●○
そして上田親子は味噌汁をたらふく飲み、たぷたぷになった胃を抱えケンちゃんマートへと向かった。
「いらっしゃ……おお、健太じゃねえか!」
「ははっ、あんま大きな声出すなよ」
ちょうどパンの品だしを父ちゃんが、レジには婆ちゃんが新聞読んで座っていた。(どこぞのタバコやかよ!)
前職はお堅いリーマンだった父ちゃん。酒が弱いくせに、上司との飲みにはちゃんと付き合うし、仕事だってそれなりに成績も良かった(はず)。
母ちゃんいわく、去年上層部の人間がガラリと変わったらしく、営業方針だとかが無茶苦茶になったらしい。それで、遂に父ちゃんもおつむプッツンきて上層部と揉めて結果、脱サラに踏み切った……だとか。
家庭の為に約25年間、だいぶ無理をしてきたと思う。いまこうやって生き生きカレーパンを並べてる父ちゃんを見ると、なんだかホッとするな。
「それにしてもお客さん少ないね」
「平日の昼間はね、仕方ないのよ。会社とか学校も近くにないし」
母ちゃんが、休憩室のドアに“着替え中”の下げ札をかけた。ウサギ二匹とハートがちりばめられた乙女ちっくな札だ。
「いらっしゃ……おお、健太じゃねえか!」
「ははっ、あんま大きな声出すなよ」
ちょうどパンの品だしを父ちゃんが、レジには婆ちゃんが新聞読んで座っていた。(どこぞのタバコやかよ!)
前職はお堅いリーマンだった父ちゃん。酒が弱いくせに、上司との飲みにはちゃんと付き合うし、仕事だってそれなりに成績も良かった(はず)。
母ちゃんいわく、去年上層部の人間がガラリと変わったらしく、営業方針だとかが無茶苦茶になったらしい。それで、遂に父ちゃんもおつむプッツンきて上層部と揉めて結果、脱サラに踏み切った……だとか。
家庭の為に約25年間、だいぶ無理をしてきたと思う。いまこうやって生き生きカレーパンを並べてる父ちゃんを見ると、なんだかホッとするな。
「それにしてもお客さん少ないね」
「平日の昼間はね、仕方ないのよ。会社とか学校も近くにないし」
母ちゃんが、休憩室のドアに“着替え中”の下げ札をかけた。ウサギ二匹とハートがちりばめられた乙女ちっくな札だ。