○●雨色ドレス●○
その後、日が落ちるまで僕達(日本人2名とトルコ人2名)は、ケバブを肴に、たわいのない話をしていた。


Q.お互いの年齢。


年長者はやはりヒゲモジャ。その次が僕で、ノーマルタイプのトルコ人が今年で19歳。一番下が18歳のユウだ。その年を聞いて、僕はユウに対して少しだけタメ口をきくようになった。




Q.職業は

トルコ人は、勿論ケバブ売り。日野と立川周辺で活動しているらしい。その傍ら、アクセサリーなんかも露店で販売しているという。

ユウは特に将来やりたいこともないという。

卒業してから、吉祥寺に元カレと同棲してたけど別れて家を出て、それからはずっとこっちにいるという。



「あっ、もしかしてこないだ中央線に乗ってた時がその、家を追い出された日?」



つい口が滑ってしまった。ユウは物凄い形相で僕を睨み付け、「次その事言ったら蹴り飛ばす」と呟いた。そして


「追い出されたんじゃなくて、あたしから出ていったんだし!」


と付け足した。


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