○●雨色ドレス●○


「すっ、すげぇ……」


「ふふふ。やはりお前にはわかるか、健太」


「うん! これ全部ここ数年で?」



あの後僕は、家に帰って軽く飯を済ませ、チバとの約束の為ケンチャンマートに来ていた。


歩美はもう帰ったらしく、休憩室にいるのはチバ一人だけ。

机の上には、宝の山……そう、ダニーキャットファンにはたまらないプレミアムでシブい逸品達が騒がしく置かれていた。


40種類、数にすると100アイテム以上はあるだろう。(つうかよくここまでこれだけ持ってきてたよな)

なんでも、チバが高校生の時から収集していたものらしく、中には一度も被ったことのないキャップや、未開封のレアワッペン、更にファンにはたまらない01'限定スタッズまで勢揃いだ。


「俺な、来年店を出そうと思ってるんだ」


チバがピンバッジを手のひらて転がしながらつぶやいた。

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