○●雨色ドレス●○
そんな事を話してるうちに、バンダナ引換え所に到着した僕ら。

並んでいるのは家族連ればかりで、明らか僕ら浮いてます! 的な。


「ユウ、引換券出して」

「はいはいは……はっはっはっ……、ブァックショーーン!!!!!!」


さっきまでのしんみりした空気をぶっ壊すかのように、ユウは激しいくしゃみをした。


その拍子に、手に持っていた手帳が、ユウの手からバサッと落ちて、間に挟んでいたものが飛び出してしまった。




僕が前あげたばんそうこの予備

コ○ドーム(なんてはしたない!)

名刺が数枚に、写真に……

ってこの写真……あの時の



「あっ、それ見ちゃだめ!」

ユウが耳まで真っ赤にして僕の手から写真を奪った。そしてすぐに落ちたものをバッグにほおり込むと、列から外れその場を離れてしまった。



「ユウ! 待ってどこいくの?」

「別に!」

カツカツカツカツ!

タッタッタッタッ!


「ユウ電車分からないでしょ? 一人じゃ帰れないでしょ」

「別に!」

カツカツカツカツ!

タッタッタッタッ!


ユウのハイヒールと僕のサドルシューズの地面を蹴る音が、ガラス張りのエントランスに響く。


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