森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
序章
1
「はじめまして、エディタ・ヴィリニュスさん。それとも……二度目まして、と言うべきかな? エディくん」
ディンビエ国の首都の外れにある、隣国ロスティの大使館。
通された部屋のソファには、長い足を持て余すように男が一人、座っている。
収穫時期の麦の穂のような金色の髪に、高貴な青玉をはめ込んだような目。ほどよく日焼けした、引き締まった体躯には、狼色の軍服がよくお似合いだ。
薄い唇が酷薄そうな笑みを浮かべていると小悪魔みたいで魅力的なのよね、と親友のリディアは言っていた。
(魅力的、なのか……? すっごく、すっごく、怖いんだけど)
その顔は笑んでいるのに、無言の圧力をかけられているみたいだ。
エディは、小さな体をぶるりと震わせた。
ディンビエ国の首都の外れにある、隣国ロスティの大使館。
通された部屋のソファには、長い足を持て余すように男が一人、座っている。
収穫時期の麦の穂のような金色の髪に、高貴な青玉をはめ込んだような目。ほどよく日焼けした、引き締まった体躯には、狼色の軍服がよくお似合いだ。
薄い唇が酷薄そうな笑みを浮かべていると小悪魔みたいで魅力的なのよね、と親友のリディアは言っていた。
(魅力的、なのか……? すっごく、すっごく、怖いんだけど)
その顔は笑んでいるのに、無言の圧力をかけられているみたいだ。
エディは、小さな体をぶるりと震わせた。
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