森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 あぁ、可愛い。
 可愛くて可愛くて、食べてしまいたい。

 まさかロキースが花のような笑みの下でそんなことを考えているとも知らず、エディは勝手にポッポする頰を隠すように手のひらを押し当てた。

「ところで、ロキースはどうしてここへ? ジョージさんは毎日行くみたいに言っていたけれど、本当に毎日来るつもりなのか?」

「今は、難しい。やることがある」

「やること?」

 やることとは、一体。

 エディは頰に手を押し当てたまま、コテリと首を傾げた。

 なんだかぶりっ子がするようなあざとらしい仕草だが、男装している彼女がやるといやらしくは見えない。それどころか、可愛いだけである。

 ロキースの鼻の下が、少し伸びた。
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