森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 ロキースは、今では人とあまり変わらない獣人だが、その前は魔獣だったのである。

 となれば、住んでいるのは当然、魔の森だ。

 住み慣れた魔の森に、彼が家を建てるのはおかしなことではない。

(……よね?)

 魔獣が獣人になる仕組みは教えてもらったが、その他のことについては謎だらけだ。

 獣人が魔の森に家を建てて住むことに、どれほどの危険があるのかなんて、エディには想像もつかない。

 エディが言いかけた言葉に、ロキースはなんでもないように答えた。

「俺は、クマの獣人だから」

 だったら、なんだというのか。

 ますます意味が分からず、エディは戸惑いの表情を浮かべた。
< 102 / 390 >

この作品をシェア

pagetop