森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 ゆらり、とミハウが伏せていた顔を上げる。
 その顔は珍しく、青くなかった。

「なにが?」

「要は、僕のエディタに恋をしやがった魔獣が、獣人になって口説いてきてるってことなんだよね? それってさ、僕に義兄が出来るかもしれない危機だよ⁈ 一大事さ!」

「一大事かなぁ?」

「一大事に決まっている! いい? 相手はとんでもなく美形で、よりにもよってエディタの好みど真ん中。そんな顔でお願いされたら、さすがのエディタだって警戒心解いちゃうでしょ! 人間って、結構チョロい生き物なんだから」

 エディは「まさか」と笑った。

 どうもミハウはエディのことになると過保護になる。特に、異性関係は必要以上だ。
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