森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 好みの顔云々だって、きっと最近読んだ本に影響されてのことだろう。彼は、読書家なのだ。

(きっと、容姿端麗な殺人鬼の話とか、そういう怖いやつを読んでいたのだろうな)

 可愛い顔をしているが、彼が好むのはグロい表現が多いミステリーものである。

 童話の、それもお姫様が幸せになるタイプのものを好むエディとは、全く好みが合わない。

「僕はね、エディタにお願いされたらなんでもしちゃうよ? 結婚したいから法律変えてって言われたら、政治家にだってなる」

「え……」

 ミハウの言葉に、エディは心底引いた顔をした。その顔には「ないわー」と書いてある。

「そんな顔しないでよ! 例え話だからね。僕のエディタはそんなこと、欠片も望まないことを知っている。だから、僕が出来ることはただ一つ!」
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