森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
いつの間に入ってきていたのか、応接間の扉の前で、ロキースをこの部屋へ案内したメイドが静かに佇んでいた。
ミハウの名を呼ぶ声には、まるで覚悟を決めろと言っているような厳しさが滲んでいる。
ミハウはしばし反抗するようにエグレを睨んだが、彼女は素知らぬ顔をするばかり。
諦めたようにため息を吐くと、ミハウは「分かったよ」と拗ねたように呟いた。
「あーあ。完敗だよ。誰も分からなかったのにさ。分かる人が出てきたら諦めるって決めていたし、仕方がない。諦めてあげる」
そう言ってロキースからツンと顔を背けたミハウを、エグレは窘めるように「ミハウ様」と呼んだ。
「もう。分かっているってば。……改めまして、僕の名前は、ミハウ・ヴィリニュス。エディタの双子の弟だよ。僕が大事にしてきたエディタを、泣かせないでよね。ちゃんと、大事にすること。それから……」
ミハウの名を呼ぶ声には、まるで覚悟を決めろと言っているような厳しさが滲んでいる。
ミハウはしばし反抗するようにエグレを睨んだが、彼女は素知らぬ顔をするばかり。
諦めたようにため息を吐くと、ミハウは「分かったよ」と拗ねたように呟いた。
「あーあ。完敗だよ。誰も分からなかったのにさ。分かる人が出てきたら諦めるって決めていたし、仕方がない。諦めてあげる」
そう言ってロキースからツンと顔を背けたミハウを、エグレは窘めるように「ミハウ様」と呼んだ。
「もう。分かっているってば。……改めまして、僕の名前は、ミハウ・ヴィリニュス。エディタの双子の弟だよ。僕が大事にしてきたエディタを、泣かせないでよね。ちゃんと、大事にすること。それから……」