森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 不安そうな声に、罪悪感が募る。

 どうにも、この大きな男の人は優しすぎる。

 エディのどんな些細なことも拾い上げて、宝物みたいに大事にしようとしている気がするのだ。

(僕は壊れ物なんかじゃないのに)

 久々に女の子扱いをされているからだろうか。

 エディは気恥ずかしくなって、余っていた左手でフードをさらに下げた。

 右手は現在、ロキースの大きな手が握っている。

「そうか」

 安心したような声が降ってきて、エディはホッとした。

 どうしてなのかはわからないけれど、ロキースが不安そうな声を出すと悲しくなるようだ。そして、嬉しそうだとエディの心もポッと明るくなる。
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