森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 キィ、という音に視線を戻すと、木の真ん中に扉があって、それをロキースが開けたところだった。

「どうぞ、入ってくれ」

 ロキースに促されるまま、エディは「おじゃまします」と大きな木の家に入った。

「わぁ……!」

 ロキースの家は、想像していた以上にお伽噺に出てくる家のようだった。

 木のうろを利用したというこの家は、ちょっと歪な円形をしている。

 最初に目に入ったのは、柔らかそうなソファと木彫りのテーブル。黄色のチェック柄をしたソファは、ロキースが座るのにちょうど良さそうな大きなものと、まるでエディのために(しつら)えたような小さめのものが置かれている。
< 143 / 390 >

この作品をシェア

pagetop