森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 何をしていたって可愛くて仕方がない。そう、言いたげに。

(あぁ、もう。どうして、そんな顔をするかな)

 これでは、ますます無碍に出来ない。

 知らぬ間に懐いた熊さんを、突き放すことが出来ないではないか。

 困ったように固まるエディにとどめを刺すように、ロキースはクスッと笑った。

「そうか。じゃあ、また淹れよう」

「うん」

 また。

 その言葉に、エディは少しだけ嬉しくなってしまった。

 へへへと照れ臭そうに笑い返して、はたと我に返る。
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