森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 ロキースの手は大きい。

 紅茶に蜂蜜を溶かすために持ったティースプーンが、とても小さく見えた。

 くるくる、くるり。
 無骨な指が、器用に回る。

(そういえば……この大きな手が、頭を撫でてくれたんだよなぁ)

 初めて会った時、何故だか分からないけれど、ロキースはエディの頭を撫でた。

 悪意は感じなかったのでおとなしくされるがままになっていたが、あれは一体、どういう意味があったのか。

(頭を撫でられるなんて、いつぶりだったんだろう。くすぐったいけど、なんだかホワホワして気持ち良かったんだよね)

 思い出して、なんだか恥ずかしくなった。

 思い出し笑いならぬ、思い出し恥ずかしといったところだろうか。
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