森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 ロキースの喋り方は、ゆっくりとしている。

 声色は違うはずなのに、喋るテンポが似ているせいなのか、祖母エマが喋っているような錯覚を覚える。

 エディはふっと吐息を漏らした。
 それからスンッと鼻を鳴らす。

 鼻の奥がツンと痛んでいた。

 目から何かが溢れ出しそうになって、我慢するように唇を引き結ぶ。

 ロキースは、そんなエディを抱きしめたくて堪らなくなった。

 どうしてこの子はこんなにも我慢し続けるのか。泣いてしまえばいいのに、と思う。

 ロキースはエディを怯えさせないように、慎重に動いた。

 そんな彼を、エディは潤みそうになる目で見上げる。

 なにをするのだろうと見ていたら、ソファの背もたれごと抱きしめられた。
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