森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
「バレなければ良いのよ」

「バレなければって……そもそも僕は、女だよ?」

 そうなのである。

 少年のような短い髪であろうと、十五歳にしては胸の膨らみが少なかろうと、伝統的な男性の服を着ていようと、一人称が僕であろうと、エディことエディタ・ヴィリニュスは女性なのだ。

「ねぇ、もしかして忘れてる?」

「忘れるものですか。性別さえ男だったら、あなたと結婚できたのに。どうしてあなたは男じゃないのよ、エディ」

 恨みがましく見られても、困る。

 エディだって、出来ることなら男として生まれたかったのだから。
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