森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 彼女自身にそのつもりがなくても、ロキースは忍耐力を試されているような気分だった。

 だって、ここは彼の縄張り。

 すぐ後ろには自宅があって、二階に上げればフカフカのベッドがあるのだ。

 エディをそこへ連れて行って、ロキースが満足するまでベッドから出さないことだって可能なのである。

 欲が滲んだままの目で恨みがましい視線を送ったら、エディはピャッと声を上げた。

「そ、そんな目をされても、困る……」

 まろい頰をうっすら上気させて、視線が泳ぐ。

 エディの傷だらけの手は、しゃがみ込んでいる足元にあった雑草を、意味もなくブチブチと抜いていた。
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