森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 あの瞬間、ロキースのエディへの気持ちは確固たるものになった。

 同時に、エディの逃げ道は塞がれたのである。

 そんなことも知らず、エディはロキースの手に自分の手を重ねた。

 すり、と頰を寄せれば、ロキースの手がビクリと震える。

「本当に、気にしないで。でも……あと一つだけ、聞いても良い?」

「な、なんだ?」

 エディへの気持ちを改めて確認していたら、再び質問された。

 ロキースの声が、動揺に(ども)る。

「ついでに聞くけどさ。おばあちゃんが見つからないなら、ヴィリニュスの鍵も無理だよね?」
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