森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 エディの質問に、ロキースは黙った。

 その目は大きく見開かれ、驚いているようである。

「ロキース?」

 ロキースは失念していた。

 エディがエマの失踪のことばかり口にしていたから、彼女のことしか探していなかったのだ。

 エマが持っているはずのヴィリニュスの鍵。

 それを、彼は未だ探していなかったのである。

「ヴィリニュスの鍵……!」

 ロキースは、大きな体を屈めて地面に両手をついた。

 占い師が水晶玉に向かうように、神妙な顔つきで地面を睨む。
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