森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
(この人、こんな顔も出来るんだ?)

 驚きである。

 リディア曰く、「小悪魔みたいで魅力的」とのことだったが、それよりもこっちの方が断然良い。

 眼鏡というアイテムがないせいもあるのだろうが、少女に向ける表情は甘い。愛しい、とその顔にはデカデカと書かれているようだ。

 これこそ、お伽噺にでてくる騎士といえよう。相手は、少々小さいお姫様ではあるけれど。

「あぁ、ニューシャ。ダメだよ。私は今、仕事中なのだ。悪いけれど、お母様のところで待っていて欲しい」

 ツカツカと扉の前まで歩いて行ったジョージは、少女の前で跪くと、懇願するようにそう願い出た。

 誰にも懐かない猫のような男が、幼い少女の前ではデレデレしている。

 その光景は、なんだか見てはいけないものを見ているようで、エディは混乱した。
< 195 / 390 >

この作品をシェア

pagetop