森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 戸惑うエディに気付いた少女は、思い出したように「ああ、そうだ」と手を打った。

 ジョージの膝からピョンと飛び降りて、スカートの裾を摘んで一礼する。

 可憐な姫に、エディはポゥッと魅入った。だって、とても可愛かったから。

「わたしのなまえは、ニューシャ。オロバスへんきょうはくのむすめでございます」

 小さいながら、その自己紹介はなかなかにしっかりしている。

 自己紹介をしたら満足したのか、ニューシャは再びジョージの膝へと戻っていった。

(いいところのお嬢さんなのだろうとは思ったけど……辺境伯ってことは、かなり偉いよね?)

 辺境伯は、他国との要所を治める人だったとエディは記憶している。ディンビエにはそんな地位がないから、正確な役割までは分からない。
< 203 / 390 >

この作品をシェア

pagetop