森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 おそらく、エディが多忙な理由も知っているのだろう。

 その理由さえ解消すれば、彼女がヴィリニュス家に固執する理由はなくなり、普通の女の子のように──そう、リディアとルーシスのように上手くいくと思っているに違いない。

「まぁ、そういうことにならなくもない……ですかね?」

 確かに、間違いではない。

 エディは鍵のことが無くてもロキースとの今後を前向きに考えることに決めていたが、黙っておいた。

 取引は、優位に立っていた方が良い。ジョージが食わせ者ならば、尚更に。

 しばらくして、ジョージは「良いでしょう」と言った。

「そうですね……一月(ひとつき)、時間を頂けますか? それでなんとかしましょう」
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