森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
「なんか、すごいね?」

「ここ、大使館だよね? 僕、お城に来たような気分だよ」

「エディは、お姫様が出てくるお伽噺が大好きだものね」

「昔の話だよ」

「今も好きなくせに」

 ウヒヒと変な声で笑うリディアを、エディは肘で小突いた。

 こういう時、なんでも知っている幼馴染は困る。

 でも確かに、エディは今でもお姫様が出てくるお伽噺が大好きだ。

 いつか王子様が迎えに来てくれないかな、なんて憧れはない。だけど、誰かたった一人の特別になることには、憧れている。
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