森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 エディは思わず、窓に映った自分の顔を確かめた。

「ああ。複雑な感情が絡まっているような、そんな顔をしている」

 窓に映った顔は、ぼんやりとしていて不明瞭だ。だが、ロキースが言うのだから、そんな顔をしているのだろう。

(そういう自覚が、ないわけじゃないし)

 ふぅ、と無自覚にため息を吐いて、摘んだマカロンを口に放り込む。

 サクサクとした食感の甘いマカロンは美味しいはずなのに、前に食べた時よりも美味しく思えない。

「お祖母様のことか?」

「え?」

「ジョージなら何とかしてくれるかと思ったのだが、思った以上に時間がかかるようで、申し訳ない」

 そう言って、ロキースは深々と頭を下げた。
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