森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
(これは、チャンスなのでは?)

 悪夢のせいで、ロキースに対して少しばかり後ろ向きな気持ちになっている。それなら、スキンシップで回復できないかと、エディは考えたのだ。

 エディはそっと、ロキースの頭に手を伸ばした。

 彼女のしようとしていることに気が付いたのか、ロキースの丸い耳が撫でるのを待っているみたいに伏せられる。

 ふわり。

 エディの小さな手が、ロキースの頭に乗る。
 恐る恐る触れた彼の頭は、思っていた以上に触り心地が良い。

 柔らかなハニーブラウンの髪は、撫ですくとフヨフヨして可愛らしかった。

 一通りワシャワシャとかき回して、それから整えるために髪を撫でる。「おしまい」と手を離したら、それまで視界の端にピコピコと揺れていた尻尾がダランとなった。
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