森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される

 ロキースのことは、好きだ。

 その気持ちは、エディの心の奥底で、限りなく恋に近い感情に育ちつつある。

 だが、ロスティの大使館で初めて感じた罪悪感は、日増しに強くなっていく。

 罪悪感が増すごとに、エディの足はロキースの家から遠のいていった。

 大使館へ行く前は二日に一回はお茶をしに行っていたのに、三日に一回、四日に一回と、どんどん間が空いた。

 とうとう一週間空けることになった日の朝、夜勤明けにエディは倒れた。

「知恵熱ですね」

 慌てふためく両親に緊急だと連れてこられた医者は、迷惑そうな顔でそう告げた。

「へ?」

「嘘でしょう?」
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