森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 熱で緩んだ涙腺から、ハラハラと涙が零れる。

 ミハウは頬を伝う滴を指先で拭いながら、口の中で「クソ熊、殺す」と呟いた。

『ロキースに触れてもらえる資格』なんて。

 腹が立つったらない。

 確かに、ミハウはロキースのことを認めたが、まさかこの短期間でここまでエディの心を傾けるとは思いもしなかった。

 それに、エディを泣かせた。

 許すまじ、クソ熊。あとで甘ったるい色をした目ん玉に唐辛子を塗りたくってやる、とミハウは決意する。

「そう……一体、誰がエディにそんなことを言ったの?」

「ロスティの、魔獣保護団体のジョージ様」
< 236 / 390 >

この作品をシェア

pagetop