森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 ミハウは慰めるようにエディの頰を撫でながら、口の中で「ジョージ、殺す」と呟いた。

 今、彼の頭の中では、今まで読み漁ってきた本から得た、あらゆる拷問方法が検討されている。グロテスクな展開は、彼の好物なのだ。

 エディに見せられないようなあれやこれやを妄想しつつ、ミハウは少女のように可憐な顔で笑いかけた。

 寝かしつけるようにケットをエディの胸元まで引き上げて、ポンポンと叩く。

「でもさ、エディタ。僕たちが魔獣を狩らなかったら、村がなくなってしまうんだよ? 覚えているだろ、村はずれの家が燃えたのは魔兎が火を噴いたせい。あの家はたまたま空き家だったけれど、そうじゃなかったら、誰か死んでいたかもしれない」

 五年前。祖母のエマを探している間に村へ侵入した魔兎は、村はずれの家を一軒焼失させた。

 それによって、エマの捜索は打ち切られ、ヴィリニュス家は責任を取るように見張りを始めたのだ。
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