森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される

 健康優良児であるエディの知恵熱は、一昼夜もすれば治った。

 しかし、相変わらずエディはロキースと会うことに躊躇いを感じている。

 ジョージが言っていた一月は、少し過ぎた。

 エディのもとには、一通の手紙が届いている。封蝋には、ロスティ国の紋章が押印されていた。

 手紙には、エディがヴィリニュスの鍵を取り戻すために何をしても許す、という内容が書かれている。ご丁寧に、国王と司令部のサインまで入っていた。

 寝不足と悪夢による泣き過ぎで真っ赤になった目に、冬の日差しが容赦なく突き刺さってくる。

「うぅ……あたま、いたい……」

 いつものように屋根の上で日向ぼっこをするつもりだったが、これでは無理そうである。
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