森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
「ちょっと、エディ!」

 ずっとそうしてきたように、リディアは遠慮なくエディの隣に腰を下ろす。弟分であるエディになんて、遠慮は無用と言わんばかりである。

 だけど、その手はとても優しい。泣き腫らしたエディの瞼に、そっとハンカチを押し当ててくれる。

 熱を持っている瞼に、濡れたハンカチの感触はじんわりと染みた。

「エディに恋した魔獣がいるんですって?」

「誰に聞いたの?」

「ミハウよ。私はデート中だっていうのに、お構いなしで愚痴ばかり。嫌になっちゃうわ」

「うちのミハウが、ごめん」

「別に、それは良いのよ。それで? どうしてあなたは、私になんの相談もなしにこんな所でベソベソしているの? おばあちゃんが見つかるまでは、少年(エディ)でいるんじゃなかったの? 泣き虫エディタちゃん」
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