森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 見上げると、見たこともないような怖い顔をしたロキースが、ムッスリとしながらエディを見下ろしている。

 怒っているせいなのか、蜂蜜色の目はいつもより緑がかった色に変化していた。

「おろして……!」

 転ばないようにしてくれたのは有り難い。だが、この体勢は恥ずかしすぎる。

(だって、お姫様抱っこ……!)

 女の子なら一度は憧れるであろう、お姫様抱っこ。それを今、されているのである。

 恥ずかしさに身を捩るエディに、しかしロキースは手放すどころか更にしっかりと抱きかかえた。

「なぜ、逃げる?」

「ろ、ロキースが追いかけるから」

「じゃあ、なぜ俺の家へ来なくなった?」

「それ、は……」
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