森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 やめてほしいのだろうか。

 だが残念なことに、ロキースはやめたくないと思ってしまった。

 潤んだ目で見上げてくるエディは、食べたくなるほどかわいかったから。

 ロキースは、エディを食べたくて食べたくて仕方がなくなった。

 ゴクンと喉を鳴らした彼は、エディの手を持ち上げると唇を寄せる。

 紳士が淑女に礼をするように、指先へのキスで終わらせるつもりだった。

 まだまだ子供な彼女には、それだけでも許容範囲をオーバーすると思ったからだ。

 だが、理性が緩んだ獣人は、こんな時、ろくなことをしない。

 キスをするつもりで唇を寄せたはずだったのに、ロキースはあろうことか、エディの指を口に含んでいた。
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