森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
「は……え……?」

 真っ赤な唇が、それは嬉しそうに語り続ける。

 レオポルドとルタは相思相愛だと思っていたエディにとって、彼女の言葉は衝撃的なものだった。

 混乱しながらも理解したことは、ルタとレオポルドが相思相愛ではないということ、ルタは獣人に対して相当な思い入れがあるということくらいだ。

「え……兄さんが好きだから結婚したんじゃないの?」

「レオポルド? そんなわけないじゃない。あんな、つまらない人。お父様がどうしてもというから、それっぽく迫っただけよ」

(本当に、兄さんのことがどうでもいいんだ……)
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