森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
***


 しばらく無言で紅茶を飲んで。ようやく落ち着いたところで、エディは口を開いた。

「なんで、ミハウが魔笛について知っているの?」

 両親からも兄からも、そんな話は聞いていない。

 もしかしたら隠しているだけかもしれないが、エディはなんとなく、彼らも知らないような気がしていた。

「うーん……これ、あんまり言いたくないんだけどね。僕が虚弱体質なのって、先祖返りだかららしいんだ」

「先祖返りって?」

「ヴィリニュス家には、魔獣の血が流れている。防護柵を作った魔術師っていうのが、初代ヴィリニュス家当主に恋をした魔獣だったんだ。その魔獣の血を色濃く継いでしまった僕の体は、有り余る力を制御するためにエネルギーを使ってしまって、いつも燃料切れを起こしている状態なわけ。それを、おばあちゃんは見抜いていて、その時に鍵の秘密についても教えてくれたんだよ。もしも魔笛が完成したら、僕が操られてしまうかもしれないからって」
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