森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
「そんな……」

 ミハウの身にそんなことが起こっているなんて、エディは知らなかった。

 どう反応したら良いのか分からず、エディは戸惑う。

 そんな彼女に、ミハウは「僕のことはいいんだよ」と笑った。

「それよりも、問題は魔笛の方。ヴィリニュスの鍵は、おばあちゃんの失踪以来見つかっていない。残りの魔笛の在り処も、おばあちゃんは知らないって言ってた。でもさ、もしも魔笛をルタが持っていたとしたら? エディタに言っていたように、ロキースを意のままに……つまり、エディタに成り代わることだって可能だと思わない?」

「……」

 エディは、まずい、と思った。

 だって、ルタが届けてくれた手紙には、こう書いてあったはずだ。

『ヴィリニュスの鍵を取り戻すために、魔の森で何をしても許す』ということが。
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