森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 戦争。

 その言葉に、エディの体がビクリと跳ねる。

「ルタの父親のマルゴーリス家当主は、野心的な男だ。ディンビエの国土を広げるために、魔の森を焼き払おうと進言したこともあると聞いている。そんな男の娘が、ヴィリニュスに嫁いでくるなんておかしいと思っていたんだ。あの女、兄さんが好きだからとか言っていたけど、本当は違うのかもしれない。ヴィリニュスの鍵が目当てで、嫁いできたのかも」

「ルタさんは、兄さんのことをつまらないって言ってた……兄さんと結婚したのは、父親が言ったからだって」

「そう……ねぇ、エディタ。ロキースなら、鍵の在り処が分かるんだよね? それなら、一刻も早く、探しに行こう。グズグズしていたら、どうなるか分からないもの」

 ミハウの提案に、エディはコクリと頷き返した。
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