森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 言いたいことはもっとあるのに、言いたい言葉は喉に詰まって声にならない。

 エディはヒックヒックと嗚咽を漏らし始めた。

 そんな彼女を、ロキースは力強く引き寄せる。

 半ば衝突するように抱きしめられて、エディも縋り付くように腕を回した。

「エディ。大丈夫だから。俺は何があってもエディのそばにいる」

 ロキースの大きな体が、エディの小さな体を包み込む。

 低くて優しい声が「大丈夫、大丈夫」と安心させるように何度も告げてきた。

「あの、ね。もしかしたら、戦争になるかもしれなくって。ロキースも、僕から離れていっちゃうかもしれないって……どうしよう……僕、ロキースの隣にいられなくなっちゃうかもしれない」
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