森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 夜の魔の森は、昼間以上に危険になる。

 危険な魔獣は、夜行性が多いからだ。

 魔の森で最強とも言える魔熊が護衛につくから問題はないが、それでも少しは心配になる。

「エディ。そろそろ──」

 帰らないと、という言葉を遮るように、エディが静かに呟いた。

「夜になっちゃったね」

「ああ、じゃあ──」

 送っていく、という言葉を遮るように、エディが言葉を重ねた。

「夜行性の魔獣が出るかもしれない。ねぇ、ロキース。今夜は、ここに泊まっても良い?」

 エディの言葉は、最後の方が震えていた。
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