森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 ほんのちょっと焦げた卵はご愛嬌だろうか。

 エディが作ったというだけで、ロキースにとっては一流料理人が作ったものよりもご馳走になる。

「勝手に食材とか使っちゃって、ごめんね? 苦手なものが無ければ良いのだけれど」

 ソファに腰掛けておずおずとそう言ったエディに、ロキースは「いや……」とだけ答えた。

 だって彼の胸の内は、感動でいっぱいだったのだ。

 エディが俺のために朝食を作ってくれた!
 ありがとう、神様! ありがとう、エディ!

 ロキースはらしくもなく、心の中でダンスを踊った。

 エディお手製の朝食を食べて、改めて今日の探索について話し合う。

 昼間のうちに移動して、待ち伏せる。目的地にやってきた鍵の持ち主に、鍵を返してもらう。ただ、それだけだ。
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