森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 エディは多少魔力耐性があったが、耐えられるのはせいぜいロキースの家くらいまでだ。

 それ以上となると、森に惑わされ、迷子になる。

 ロキースの手は、エディにとって命綱のようなものだった。

「ねぇ、ロキース。ここから魔獣の寝床まで、どれくらいかかるの?」

「そうだな……一直線で向かっているから、あと二時間くらいだろうか。大きな障害物はなさそうだから、それ以上かかることはないはずだ」

 ロキースは道中、何度か立ち止まっては、しゃがみ込んで地面に手をついた。

 前にヴィリニュスの鍵の在り処を探す時もそうやっていたな、とエディは興味深げに眺める。
< 333 / 390 >

この作品をシェア

pagetop