森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
***


 呼びに来たロキースと一緒に、エディは花畑へ踏み込んだ。

 はやる気持ちを抑えて、ゆっくりと足を前に出す。

 しばらく歩いたその先に、白銀色の魔獣──魔狼が伏せて待っていた。

 ──カサリ。

 花を踏む音に、魔狼の耳がピョコピョコと動く。

 伏せていた体をゆっくり上げて、魔狼はじっと二人を見つめた。

『よく来たな、ヴィリニュスの娘。(うぬ)の名は、ヴィリカス。娘、お前が来るのを、ずっと、待っていた』
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