森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 魔狼の言葉は、当然だがエディには分からない。

 何か訴えている様子なのは分かるが、それだけである。

 助けを求めるようにロキースを仰ぐと、安心してと言うように穏やかな笑みを向けてくれた。

「あの狼は、ヴィリカスという名前らしい。エディが来てくれるのを待っていたと言っている」

「待っていた?」

 狼は、目の前にある小さな山を見つめた。

 それから物言いたげに、エディを見てくる。

『そうだ。己は待っていた。娘よ、そこを見ろ。それは、エマ……お前の祖母の墓だ』
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