森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 狼が、また何かを訴えた。

 どんな言葉を聞いたのか、ロキースが息を飲む。

 蜂蜜色の目が、悲しそうに伏せられる。

 エディはそれを見て、妙に納得した。

(あぁ、もしかして、この山は……)

「ロキース、狼は何て言っているの?」

「その山は……エディのお祖母様の墓だと、言っている」

「そう……」

 エディはポツリとそれだけ言うと、ゆっくりと山に──エマのもとへ歩み寄った。

「おばあちゃんは、ここに眠っているのね?」

『そうだ』
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