森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 だがそれは、エディが望む未来ではないのだ。

「父さんも、母さんも、何を言っているの? 僕はロキースに付き纏われているんじゃない。僕が、彼と一緒に居たいんだよ」

 エディの言葉は、ルタの言葉を信じている両親に信じてもらうことは出来なかった。

 彼らはエディのことを哀れみのこもった目で見つめて、「かわいそうに」と抱きしめる。

「そう、思い込まされているのでしょう? 大丈夫よ。全て、元通りになりますからね」

「さぁ、エディタ。マルゴーリスさんがお待ちだ、行こう」

「嫌だってば! 離してよ! 僕は僕の意思で、ロキースのそばにいるの。思い込みとか、そういうのじゃないから。どうして僕の言葉を信じてくれないの? 実の娘より、義理の娘を信じるなんて、ひどいよ!」
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