森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
「あ! エディタ!」

 エディは両親の手を振り切ると、急いでロキースの元へ駆けた。

 何がどうなっているのか見定めるために沈黙していたロキースは、駆け込んできた彼女を大事そうに抱きかかえる。

 その目は両親よりも後ろ、ヴィリニュスの屋敷の入り口に向けられていた。

「おやおや。随分と洗脳されているようですな。これは、根気よく治療せねばなりませんねぇ」

 もったいぶるようにゆっくりと歩いてきた男を見て、エディの両親は安堵の表情を浮かべた。

 エディを抱きしめるロキースの腕が、より一層拘束を強める。渡さないと言ってくれているようで、エディは応えるようにロキースの腕にしがみついた。
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