森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 奪いに来た父親の腹を、エディは問答無用で蹴り付けた。

 信じてくれない親など、こんな扱いで十分である。

「ぐふぅっ……!」

 娘からの渾身の蹴りを受け、軟弱な彼女の父は見事に吹っ飛んだ。

 ガルルと手負いの獣のように威嚇してくるエディに、尻込みしている。

「え、エディタ! 良い子だから、渡すんだ!」

 それでもなんとか父親らしい威厳を保とうとしているのか、蹴られたところを摩りながらエディを怒鳴りつける。

 その目には痛さのあまり涙が浮かび、威厳なんてものは感じられない。
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