森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
***


「ルタァァァァ! 一体なにをしている! 早く、早くあの子供のとこへ行け! 鍵はそこにある! 急げぇぇ!」

 屋敷に響き渡る怒声に、ルタはビクリと体を震わせた。

 父親の激昂した声など、生まれて初めて聞く。

 驚いて呆然とする彼女に、マルゴーリスは「早くしろ!」と急きたてた。

「あ、あの、子供とは……」

「ミハウだ! エディタが鍵を矢に括り付けて、屋根裏部屋まで飛ばしたのだ。今、鍵はミハウが持っている。早く案内しろ。あれさえあれば、魔笛は私たちのものになるのだからな」

「わ、分かりましたわ!」
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