森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 マルゴーリスの邸宅よりも小さな屋敷だが、ここもそれなりの広さがある。

 初めて来た者は、案内なしで屋根裏部屋には行けるはずがない。

 ルタの案内で屋根裏部屋まで辿り着いたマルゴーリスは、余裕のない声で早く開けろと喚いた。

 父親の剣幕にオドオドしながら、ルタは持っていた鍵を差し込むが、扉は開かない。

「どうして……!」

 ガチャガチャと鍵を回すと確かに解錠の音がするのに、扉はびくともしなかった。

「ちょっと! どうして開かないのよ。開けなさいよ、ねえ!」

 力任せに扉を叩いたら、中からガタガタと何かが崩れる音がした。

 もしかしたら、バリケードがあるのかもしれない。
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