森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 失神する義父と泣きじゃくる妻を前にして、レオポルドは心底驚いた様子だった。

 だが、エディたちの説明を聞いて、その顔は徐々に鬼の形相になる。

「そうか。失望したよ、ルタ。今後のことは……専門家に任せることにする。いいね?」

「はい、分かりました」

 しおらしく頷く妻に、レオポルドは何か思うところでもあったのか、ギュッと拳を握った。

 何か言おうと口を開いて、でも言うのを諦めたように口を閉じる。

 その顔は、とても悲しげに歪んでいた。

 しばらくして、エグレが手配していたらしい役人たちが到着した。
< 377 / 390 >

この作品をシェア

pagetop