森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 ──ドォン!

 見えなかったが、馬車の横から何かが衝突してきたみたいだった。

 馬車が大きく揺れて、エディとリディアの身体が壁にぶつかる。

「リディア!」

 エディは慌ててリディアの腰を掴むと、抱き寄せた。体は小さいが、鍛えている分エディの方がしっかりしている。

 表情に怯えを滲ませたリディアは、震える手でエディにぎゅうっと抱きついた。

「エディ、ありがとう」

「ううん、気にしないで。それより……一体、なにが起きているんだろう?」

 窓の外を見ようにも、車体があり得ないくらい揺れていて立つこともままならない。
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